2023年03月18日
LĐNN(LDNN)装備のすゝめ
はじめに
ベトナム戦争中多くのベトナム人が米軍の部隊と共に作戦に従事していました。この例に漏れず、米海軍の特殊部隊であるNAVY SEALsの小隊にも多くのベトナム人がおり、隊員達と共に共産勢力との戦いに死力を尽くしていたのです
ベテランが書いた書籍や写真から彼らはSEAL小隊と活動していたベトナム人たちをLĐNN/海撃隊(ベトナム共和国海軍特殊部隊LĐNN内のSEALチーム)・PRU・KitCarsonスカウト・通訳(LĐNNが行う場合もあったようだが軍属の場合も)・ガイド(元共産勢力)と想像以上に細かく分けています
(Combat Corpsman in vietnamの写真から この写真からわかるようにベトナム人だからといって全員LĐNNと判断するのは早計です・・ 本当に判別が付けづらくて苦労しています)
今回はその中でも屈指のエリートであるLĐNN/海撃隊の装備について今持っている知識をフル動員して書いてみようと思います
LĐNNという部隊の歴史については森泉大河氏のブログ一番槍BLOGで非常に細かく説明していただいているのでそちらをご覧ください
→ベトナム海軍LĐNNとSEAL
装備のはなし
基本的にはライフルマン想定で大丈夫だと思います。
70年頃から急にm60をかついだベトナム人ガンナーの写真が出てきますがこれはアメリカ人SEALの撤退が決まり、減るであろう火力を補う為にライフルメインの装備からシフトしていったのではないかと私は考えています
銃:xm16e1・m16a1・xm177e2・xm148付m16(少数)・56式(超少数)
被服:タイガーストライプ・m59リーフ・パステルリーフ(69年以降によく見られる)・共和国軍OD作業服・米軍ERDL・ベオガム迷彩・ジーンズ
装具:m1956・SEALリグ(必須という訳ではもちろんありませんが意外に使用率が高いアイテムです)・バンダリア・56式弾帯(少数)・ライフプリザーバー・ジャングルファーストエイドポーチ・USNmk2ナイフ
靴:ジャングルブーツ・共和国軍キャンバスシューズ・コーラルシューズ
装備例①(UDT12所属隊員 1970年)
59リーフとSEALリグの組み合わせ
パンツの裾は基本的に出している事が多いSEAL隊員には珍しく裾にテープを巻き付けている珍しい例です。しかし装備は割とポピュラーなものですので裾だけ出していただければ形になると思います
装備例②(1970年想定)
パステルリーフとSEALリグの組み合わせ
首元に巻いている赤いスカーフは誤射防止用(全員が付けている訳ではないので必ず巻く必要はないとは思いますがLĐNNぽさというよりアメリカ人の部隊の中に混ざっているベトナム人らしさ&カッコよさの両方を出せる良いアイテムだと思います)
赤いスカーフはバンダナとして巻いたり、切れ端をブーニーに結んだりと意外に見るアイテムです
装備例③(ST1 X-ray小隊所属隊員)
今の所この隊員以外でストーナー持ちは見たことがないレベルで珍しい装備例です。
手持ちのG&Pストーナーをコマンドストックに換装したので再現してみました
装備例④(グレネーダー)
xm148付きm16を持った隊員です。今になって気づきましたが下はもしかしたらERDLかもしれません・・・
40mmグレネードバンダリアがポイントです
番外編
日本でLĐNNぽさを出すにはやはり共和国軍で使われた迷彩やキャンバスシューズ等を身にまとうのが手っ取り早いのですが国内でARVNで使われた迷彩を手に入れるのは容易ではないのでリプロメーカー(Phuoc Hung RVN Insignia・DLCH)を活用するのがお勧めです。私はDLCHを利用したのですがこちらは基本お客のサイズに合わせた服を作っていただけるのでお直しの手間が省けます笑
[参考]
LARGEST USN SEAL Photo Album In The WWW
Combat Corpsman: A Navy SEAL Medic in Vietnam Greg Mcpartlin著
Navy Seals in Vietnam War (1970) Battle Footage | Combat Footage | Vietnam Archives | Navy SEALs
ベトナム戦争中多くのベトナム人が米軍の部隊と共に作戦に従事していました。この例に漏れず、米海軍の特殊部隊であるNAVY SEALsの小隊にも多くのベトナム人がおり、隊員達と共に共産勢力との戦いに死力を尽くしていたのです
ベテランが書いた書籍や写真から彼らはSEAL小隊と活動していたベトナム人たちをLĐNN/海撃隊(ベトナム共和国海軍特殊部隊LĐNN内のSEALチーム)・PRU・KitCarsonスカウト・通訳(LĐNNが行う場合もあったようだが軍属の場合も)・ガイド(元共産勢力)と想像以上に細かく分けています
(Combat Corpsman in vietnamの写真から この写真からわかるようにベトナム人だからといって全員LĐNNと判断するのは早計です・・ 本当に判別が付けづらくて苦労しています)
今回はその中でも屈指のエリートであるLĐNN/海撃隊の装備について今持っている知識をフル動員して書いてみようと思います
LĐNNという部隊の歴史については森泉大河氏のブログ一番槍BLOGで非常に細かく説明していただいているのでそちらをご覧ください
→ベトナム海軍LĐNNとSEAL
装備のはなし
基本的にはライフルマン想定で大丈夫だと思います。
70年頃から急にm60をかついだベトナム人ガンナーの写真が出てきますがこれはアメリカ人SEALの撤退が決まり、減るであろう火力を補う為にライフルメインの装備からシフトしていったのではないかと私は考えています
銃:xm16e1・m16a1・xm177e2・xm148付m16(少数)・56式(超少数)
被服:タイガーストライプ・m59リーフ・パステルリーフ(69年以降によく見られる)・共和国軍OD作業服・米軍ERDL・ベオガム迷彩・ジーンズ
装具:m1956・SEALリグ(必須という訳ではもちろんありませんが意外に使用率が高いアイテムです)・バンダリア・56式弾帯(少数)・ライフプリザーバー・ジャングルファーストエイドポーチ・USNmk2ナイフ
靴:ジャングルブーツ・共和国軍キャンバスシューズ・コーラルシューズ
装備例①(UDT12所属隊員 1970年)
59リーフとSEALリグの組み合わせ
パンツの裾は基本的に出している事が多いSEAL隊員には珍しく裾にテープを巻き付けている珍しい例です。しかし装備は割とポピュラーなものですので裾だけ出していただければ形になると思います
装備例②(1970年想定)
パステルリーフとSEALリグの組み合わせ
首元に巻いている赤いスカーフは誤射防止用(全員が付けている訳ではないので必ず巻く必要はないとは思いますがLĐNNぽさというよりアメリカ人の部隊の中に混ざっているベトナム人らしさ&カッコよさの両方を出せる良いアイテムだと思います)
赤いスカーフはバンダナとして巻いたり、切れ端をブーニーに結んだりと意外に見るアイテムです
装備例③(ST1 X-ray小隊所属隊員)
今の所この隊員以外でストーナー持ちは見たことがないレベルで珍しい装備例です。
手持ちのG&Pストーナーをコマンドストックに換装したので再現してみました
装備例④(グレネーダー)
xm148付きm16を持った隊員です。今になって気づきましたが下はもしかしたらERDLかもしれません・・・
40mmグレネードバンダリアがポイントです
番外編
日本でLĐNNぽさを出すにはやはり共和国軍で使われた迷彩やキャンバスシューズ等を身にまとうのが手っ取り早いのですが国内でARVNで使われた迷彩を手に入れるのは容易ではないのでリプロメーカー(Phuoc Hung RVN Insignia・DLCH)を活用するのがお勧めです。私はDLCHを利用したのですがこちらは基本お客のサイズに合わせた服を作っていただけるのでお直しの手間が省けます笑
[参考]
LARGEST USN SEAL Photo Album In The WWW
Combat Corpsman: A Navy SEAL Medic in Vietnam Greg Mcpartlin著
Navy Seals in Vietnam War (1970) Battle Footage | Combat Footage | Vietnam Archives | Navy SEALs
この記事へのコメント
記事製作、お疲れ様です。
ジーパン+ストーナー装備のベトナム人は初めて見ました。驚きです!貴重な情報をシェアしてくださり、ありがとうございます。
ベトナム共和国軍装備として特徴的な黒色のキャンバスブーツですが、実は当時の兵士の間では「金の無い兵卒が履く野暮ったい靴」という認識であり、それなりに給料を貰える下士官以上や陸軍のエリート部隊ではほとんど着用されませんでした。
しかし排水性・速乾性は高いので、LĐNNやSEAL関係のベトナム人は、見た目よりも実用性を重視して、あえてキャンバスブーツを愛用していたように思えます。
ジーパン+ストーナー装備のベトナム人は初めて見ました。驚きです!貴重な情報をシェアしてくださり、ありがとうございます。
ベトナム共和国軍装備として特徴的な黒色のキャンバスブーツですが、実は当時の兵士の間では「金の無い兵卒が履く野暮ったい靴」という認識であり、それなりに給料を貰える下士官以上や陸軍のエリート部隊ではほとんど着用されませんでした。
しかし排水性・速乾性は高いので、LĐNNやSEAL関係のベトナム人は、見た目よりも実用性を重視して、あえてキャンバスブーツを愛用していたように思えます。
Posted by 森泉大河 at 2023年03月20日 21:02
森泉様コメントありがとうございます
一番槍BLOGさんのLĐNN記事がなければ自分がこの記事を書くことは多分ありませんでした
感謝してもしきれません!
キャンバスシューズの話は初耳でした 他のエリート部隊のベトナム人たちと比べると明らかにキャンバスシューズの使用率が高い理由がわかったような気がします・・
一番槍BLOGさんのLĐNN記事がなければ自分がこの記事を書くことは多分ありませんでした
感謝してもしきれません!
キャンバスシューズの話は初耳でした 他のエリート部隊のベトナム人たちと比べると明らかにキャンバスシューズの使用率が高い理由がわかったような気がします・・
Posted by さぼてん at 2023年03月21日 20:14